既存のCAMAC クレート・コントローラには, RS232C, GPIB や SCSI を計算機とのイン ターフェイスにするものはあったが現時点で USB 対応のものは存在しない. そのため既存のハードウエアを利用して USB でCAMACと計算機を接続すること を考えて調査を行なった. その結果 SCSI インターフェイス付き CAMAC クレート・ コントローラと USB-SCSI 変換ケーブルを用いてUSB-SCSI 経由で CAMAC を 制御することにした. 本システムは次の3つのハードウエアで構成される (図 1).
図 1の左から USB ポートを持つ PC, USB と SCSI を接続するための USB-SCSI 変換ケーブ ル. CAMAC クレートの右端には SCSI CAMAC クレートコントローラがある. SCSI CAMAC クレート・コントローラ3929 については 2 節で USB-SCSI 変換ケーブル LUB-SC については 3 節で説明する.
次に本システムのソフトウエア構成について説明する. 以下, ソフトウエア構成 を示す.
Linux Kernel 2.4.0 は 2001年1月にリリースされた USB 対応のカーネルである. 今後数年はこのカーネル 2.4 をベースにした Linux のディストリビューション・ パッケージが主流になるはずである. 現在 USB ホストコントローラは UHCI(Universal Host Controller Interface)系チップセットと OHCI(Open Host Controller Interface)系チップセットに分類できる. したがってそのドライバも 2種類存在する. USB-CAMAC デバイスドライバは今回開発を行なった Linux 用のデバイスドライバである. USB-CAMAC ライブラリはドそのデバイスライバのユーザインターフェイスであり CAMAC に慣 れているユーザが簡単に操作できるような実装をした. USB-CAMAC デバイスドライバについては 4節 で USB-CAMAC ライブラリ につい ては 5 節で説明する.