VME/CAMAC 専門研修 Meeting Memo (08-DEC-2000)
日時: |
12月8日(金曜日)、13:30から17:30まで |
場所: |
2号館2階会議室 |
出席: |
三国、多田野、仲吉、佐藤、小田切、藤田、安 |
内容
仲吉一男
- USB-CAMACデバイスドライバの開発
ではすでにCAMACシングルアクションの動作を行なうドライバを作成し、
動作を確認した。
ユーザに見せるインターフェース(外部仕様)とその詳細設計(内部仕様)に入っている。
DMAと割り込みのサポートに関してはUSBおよびSCSI-CAMACインターフェース
(ハードウエア)の仕様を検討した上で決める。
- なぜCAMACライブラリというユーザインターフェースにしたのか?read/write/ioctl
システムコールなどをユーザに見せた方がオーバーヘッドが少ない分、よいのではないか?(講師)
->1)OSやCPUアーキテクチャに依存しないようにしたい。2)ユーザにシステムコールの
複雑さを隠蔽したい。
- なぜUSBを使うのか?(講師)
->一言で言うと、使い勝手がいいからである。USBは簡単なデータ収集に適している。
多田野幹人
- CompactPCIをベースにした
PCI-ADCボード用デバイスドライバの開発用のCompactPCIシステムは
すでにあり、今はLinuxのインストールをしている途中である。ハードウエアは
VMEブリッジ付のシステムとPCIのみのシステムを2セットある。
- VMEではなく
CompactPCIにした理由は、現在産業界ではCompactPCIが主流だから。
自前ではハードウエアは作らない、産業界に求める。RTーLINUXも
やりたいが、VMEブリッジのデバイスドライバがない。(講師からの
コメント:小田切さんのL4-Linuxを使った開発は参考になります。)
佐藤節夫
- USB-VMEデバイスドライバの開発では
USB付のラップトップPCにLinuxをインストールした。まだXウィンドが動作していない。
WEBにあるskeletonドライバ
をデバッグした(講師から一言、ありがとう)。
- Linux用のLABViewが28万円もした。予算を獲得中。
- USB-VMEをLinux-LABViewでサポートする場合、PIO, DMA, 割り込みなどの
機能についてはどのように実装するのか?(講師)
->PIOのみをサポートする。DMAや割り込みは必要ない。割り込みは今までの
経験から実装は大変でも、あまり役に立たない。
- SCSI-VMEボードを最近改良した。転送スピードが今まで400KB/s程度だったが
MacG4で4MB/s程度まで達した。この辺でハードの限界に近付いている。
小田切淳一
-
L4-Linux用VMEデバイスドライバの開発では、まだ開発用に利用する
VMICシステムが納入されていない。PCにLinuxをインストールした。
EPICSシステムは今まで、VxWorksをI/Oコントロール用のOSとして利用して来たが、
VxWorksに限らず利用できるように、OS依存しない実装が開発された。
現在、L4-Linux用にセマフォの実装を手掛けているが今年中に終える予定でいる。
VMEバスを利用したいという需要があるので、L4-LinuxでVMEドライバを
使いたい。
- L4マイクロカーネルは直接計算機のリソースを扱う、一番下層に
位置付く。その上に、LinuxサーバやLinuxプロセスやL4のネーティブの
タスクが走る。Linuxサーバは標準Linuxカーネルのサービスを行なう。
ここにデバイスドライバがインストールされる。Linuxプロセスは
L4マイクロカーネルを介してLinuxサーバと通信し、システムコールなど
のサービスを受けることができる。またLinuxプロセスからforkシステムコールで
新しいプロセスやcloneシステムコールで新しいスレッドを生成することが
可能である。LinuxプロセスからL4のネーティブなタスクを生成した場合、
Linuxサーバはそのタスクを認識することはできない。例えば、psなどの
コマンドを発行しても見ることはできない。
- L4-Linuxを用いるメリットはLinuxプロセスをL4リアルタイムマイクロカーネル
のスケジュールの下に置くことができることである。ただし、システムコール等
のサービスを利用した場合、リアルタイム性は保証されない。
- Linuxのシステムコールread/writeを利用すればプロセスの
リアルタイムスケジュールができなくなるので、mmapシステムコールを
使ってマップ方式でVMEをアクセスしたい。これは可能か?
->Linuxドライバにはmmapシステムコールを受けるエントリーがあり、
プロセスの仮想アドレスマップをそのドライバ部で一部変更することで、通常はVME等の
バスに対してアクセスは可能になる。しかし、L4マイクロカーネル上に
Linuxサーバが動いているというシステムにおいて、通常のデバイスドライバが
動作するからと言って、そのメカニズムがそのまま動作するかどうか、
まだ見通しはない。(講師)
- 多田野:VMEバスはもう産業界ではメジャーではない。CompactPCIが主流だ。
- 小田切:VMEバスとCompactPCIは今後どうなって行くのか?まだVMEバスは
現場で使われているが。。。
- 講師:VMEバスはBigEndianのハードウエアとリアルタイムOSで成長した。
CompactPCIはLittleEndianのハードウエアと汎用OS(WindowsとLinux)で成長している。
すでにVME資産を多く抱えているところではCompactPCIに向かう必然性はない。
- 講師:VMEのパーツとCompactPCIのバーツを比較した場合、CompactPCIの
方が安いと言う訳ではない。
- 多田野:量産効果はあり、CompactPCIが安くなる可能性はある。ソフトウエアは
デスクトップPCから流用できるので安い。