Eclipse による Windows program 開発
- MSYS/MinGW の導入 -

© Copyright Hirofumi Fujii (2007)
初稿:23-Feb-2007

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Winodws での C/C++

Eclipse で C/C++ のプログラム開発を行うには当然ながら C/C++ compiler や linker や make などが必要である。ここでは Eclipse の C/C++ 開発用パッケージである CDT を 使う予定である。CDT は GNU の C/C++ compiler/linker/make を使うのが default で あるので、ここでは GNU の compiler やツールを使うことを考える。

Windows で GNU の compiler やツールを導入するには通常

の二つの方法がある。Cygwin は基本的に Linux 環境をそっくりそのまま Windows application として実現しようとするものであり、それに対し MSYS/MinGW は必要最低限の GNU プログラム開発 環境を実現しようとするものである。ここではプログラム開発が目的であるので、 MSYS/MinGW を導入する。

MSYS/MinGW の導入

MSYS は、いわば MinGW のためのコマンド用のアプリケーションである。 最低限必要なのは MinGW であって、MSYS は必ずしも必要であるわけではない。 実際、設定さえ適切に行えば MinGW と Windows のコマンドプロンプトで プログラム開発はできる。しかしながら、MSYS を導入すれば面倒な設定を行わなくても 様々なツールが使えるようになるので、通常は両者とも導入する。導入する順序は の順に導入する方がやりやすい。

MinGW は GNU の compiler や、それに付随するツール群の総称であって、選択して 導入することができる。ただし一つ一つ手で導入するのは面倒なので、パッケージ導入 のためのインストーラが用意されている。ここでは

を使った。この時にインストールするパッケージを選択できるが、本稿で default 以外に 使うのは g++ のみである(パッケージ的には w32api も必要であるが、default で 導入される)。この導入については Windows の他のソフトウェアと同様であり、迷うことは ないと思われる。

MinGW の導入が終わったら PATH に MinGW の bin (default で導入した場合は C:\MinGW\bin)を 付け加えることによりコマンドプロンプトから gcc や g++ が使えるようになるので 確かめてみるのがよい。

次に MSYS をインストールすることになるが、ここでは

を用いた。注意すべきは、最後に make の入れ替えを聞いてくる点であり、MSYS の make を 使うか MinGW の make を使うかを選択するものである。通常は MSYS の make を使う。 PATH に MSYS の bin を付け加える(default で導入した場合は C:\MSYS\1.0\bin)ことに よりコマンドプロンプトで tar や gzip などのツールが使えるようになる。

その他のパッケージついて

通常、上記パッケージの他、debugger として gdb を導入する。あと msysDTK を 導入すると、MSYS 内で autoconf や automake が使えるようになるので、MSYS 内で開発を 行う場合は便利である。筆者は両者とも導入した。
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