<< 2001年及び2002年 >>

国際共同実験への参加と協力
1) ヨーロッパのプロジェクト(CERN-LHC加速器を用いた実験)アトラス実験での
    データ収集システムの研究開発
    CERNでの将来計画である国際共同研究LHC実験の1つであるアトラス実験に
    参加し、データ収集の研究開発を行っている。イベントビルダ
    (並列事象再構成器)の研究を行っている。その中でもスケーラビリティーの
    課題を解決するために、ネットワークの品質保証機能(Quality of Service)の
    インベントビルダへの適用を検討している。QoSがランダムなデータ流を
  一定なデータ流にできることが証明された。現在イベントビルダへの
  適用実験を行なっている。
2)KEK/BELLE実験でのSilicon Vertex Detector (SVD)への協力。FADCリンクの
   研究開発を行なった。リンクインターフェースのデバッグ及びデバイス
 ドライバの開発が終わり、SVD2インテグレーションの段階であり、
 順調にいっている。

分散データ収集システムに関わる研究開発
1)ATLAS-TGCエレクトロニクスのスライステストのためのVMEアクセス
   フレームワークを提案し開発した。さらに2002年はアトラス
 オンラインソフトウエアフレームワークへの移植をほぼ完了させ、
 KEKでのスライステストを成功させた。来年はさらにCERNでの
 大規模スライステストが予定されておりその準備中。
2)Geant4の分散化のための分散オブジェクト技術(CORBA)の研究開発を
   行なっている。
3)並列CAMACプロジェクトで、パイプラインCAMACコントローラを開発
 している。また、次世代のreadout linkの候補の1つであるSpaceWire
 の研究開発も平行して行なっている。パイプラインCAMACコントローラは
 いままで実現が難しかった3MB/sの実行スピードを実現させるもので、
 画期的なものである。

<< 1990年代及び2000年 >>

国際共同実験への参加
1) アメリカのプロジェクトSSC加速器を用いた実験に関わる研究開発
    SDC実験グループに参加し、データ収集の研究開発を行った。(NO.o9,o10)
2) ヨーロッパのプロジェクト(CERN-SPS加速器を用いた実験、IHEP-PS加速器を
    用いた実験)GAMS(NA12/WA91/WA102)実験に参加し、データ収集システムの
    構築に寄与。
    CERN(ジュネーブ、スイス)及びIHEP(プロトビノ、ロシア)などとの
    共同研究のもと、主にデータ収集システムの構築に寄与。
    (NO.r19,r20,r21,r23,r25--r41,r43--r45,o25,o28,o34,o36,o50)
3) ヨーロッパのプロジェクト(CERN-LHC加速器を用いた実験)アトラス実験での
    データ収集システムの研究開発
    CERNでの将来計画である国際共同研究LHC実験の1つであるアトラス実験に
    参加し、データ収集の研究開発を行っている。1998年はCERNにて
    リアルタイムOSの研究を行った。1999および2000年はイベントビルダ
    (並列事象再構成器)の研究を行った。
    (NO.r42,o37,o38,o51--o55)

性能評価に関わる研究開発
1) 高エネルギー物理学実験に用いる解析計算機の性能評価に関わる研究開発
    電磁シャワーシュミレーションEGS4用のベンチマークプログラムの開発
    及び性能評価を行なった。一般的な計算用ベンチマークによる指標は
    この解析用計算機の選択及び評価に適していないことがこの研究開発を
    通してわかり、EGS4用の指標を開発した。(NO.o18,o19,o29)
2) データ収集システムの評価を行うベンチマークプログラムDAQBENCHの開発
    及び性能評価
    これはEGS4用のベンチマークと同様にデータ収集のデザイン及びその計算機
    の性能評価を行う上で一般的な指標では不十分であることを指摘し、専用の
    ベンチマークプログラムを開発した。(NO.o26)

UNIXデータ収集システムの研究開発
1) RISC/UNIXデータ収集システムの開発、リアルタイムデータ収集システムの評価
    及び開発
    当時高エネルギー物理学実験の分野ではほとんど誰もRISC/UNIXを用いたデータ
    収集システムの研究開発は、UNIXはリアルタイムOSではないと言う理由で
    行なって来ていなかった。しかし、UNIXを用いた新しいデータ収集モデルの
    の発見およびRISC/UNIXデータ収集システムの構築により、それは次世代の
    標準データ収集システムとなった
    (NO.r14,r18,o11,o15,o17,o20,o23,o24,o27,o30--o33,k1)
2) PS実験(アイーダ実験グループ)に参加し、アイーダ用データ収集システムを
    構築。
    リアルタイムUNIXを用いたデータ収集システムの応用例の1つで、テスト実験
    の段階でもすでに、従来のRISC/UNIXデータ収集システムより性能がよいことが
    実証された。(NO.o20,o24,o26,o27,o30,o31)

3) PC計算機を用いたデータ収集システムの研究開発。
    PC/Linuxをベースにしたデータ収集システムの研究開発行なっている。
    (NO.r42,o42,o40,o51)

分散データ収集システムに関わる研究開発
1) Javaベースデータ収集システムの研究開発
    Javaベース分散オブジェクト技術(HORB)を利用したデータ収集システムを
    構築し、Belle実験やニュートリノ振動実験に適用した。一方、電子技術総合
    研究所(電総研)と共同研究を研究所間で取り交わし、電総研、青山学院大学と
    KEKで共同研究開発を行った。(NO.r22,r24,o39,o43--o47,z1)

2) 並列事象構築器(イベントビルダ)の研究開発。
    SSC加速器を用いた実験に関わる研究開発としてスタートし、日本での
    BELLE実験に続いて、アトラス実験でのデータ収集システムの研究開発
    へと発展している。(NO.o37,o38,o51-o54,s1)

その他
1) 新しい検出器(PWO)の研究開発。(NO.r16,r17,o28) 
2) マスストレージシステムの開発(NO.o16,o22,o40,o48)
3) BELLE実験に参加し、データ収集システムを構築に寄与。(NO.o40,o41)


<< 1980年代 >>

PS実験に関わる研究開発
1) PS実験(イエータパイ)に参加し、主にデータ収集システムの構築を行った。
    (NO.r6,r8,r11,r12,r13,r15,o13,o14,o35)
2) 多くのPS実験用にデータ収集計算機VAX/VMS用のCAMACデバイスドライバの開発を
    行った。(NO.o8)

トリスタン加速器を用いた実験に関わる研究開発
1) データ収集計算機VAX11のためのFASTBUS Processor Interface(FPI)の開発
    高エネ研トリスタン加速器を用いた実験のためのデータ収集システムの構築の一環
    としてに参加した。主に、ハードウエアの設計/デバック、マイクロコードの
    開発及びユーザ用ソフトウエアを開発した。
    これに先立ち、米国ブルックヘブン研究所(ニューヨーク)に滞在し、同種の
    インターフェースを開発しているグループで調査研究を行った。
    (NO.r2,r4,o1)
2) 新しいフロントエンドエレクトロニクス規格(TKO規格)の作成に参加した。主に、
    コンピュータ側からの要求をまとめ、提案した。(NO.r5,o4)
3) トリスタン実験(VENUS)に参加し、主にデータ収集システムの構築を行った。
    (NO.r7,r9)
4) 高エネ研ネットワークグループに加わってネットーワーク構築に参加した。
    (NO.r10)

分散データ収集システムに関わる研究開発
1) 米国フェルミ研究所(シカゴ)の並列計算機プロジェクト(ACP)に参加し、主に
    VMEbusインターフェース用のデバイスドライバの開発を行った。これはたくさんの
    コンピュータ(2-300台)を並列に動作させ、物理解析を並列に行なう
    ハードウエア/ソフトウエアの複合体である。(NO.o6,o7)
2) RPC(リモートプロシジャコール)技術を用いたデータ収集システムの開発
    さまざまな計算機(VAX11/VMS, VME-M68k/OS9, Workstation/UNIX)の上にCERN独自で
    開発したRPCを、その開発者であるTim Berners Lee(WWWの発明者)の協力を受け、
    M68K-FPIとVAX11のデータ転送に適用した。トリスタン実験等に適用した。
    (NO.r7,o7)
3) メインフレーム(富士通、日立)とワークステーション間のデータ転送システムの
    開発。
    多種のワークステーションとメインフレーム間に介在するサーバに両端の
    プロトコルの違いを吸収する機能を持たせ、両端クライアント間の機種によらない
    転送系を実現している。これはトリスタン実験及びPS実験に利用された。
    (NO.o5,o12,o21)


<< 1970年代 >>

高エネ研プロトンシンクロトロン(PS)加速器を用いた実験のためのデータ収集
システムの研究開発
1) 高エネルギー物理学実験のための高速オンラインネットワークシステムの構築に
    参加。主に、フロントエンド計算機でのデータ転送システムのソフトウエアを
    開発。(NO.r1)
    
2) PS実験(PI実験グループ)に参加し、主にデータ収集システムを開発。
    (NO.r3,o2,o3)