• USB で必要な概念/用語
• データフロー
• 論理アーキテクチャ
• デバイスフレームワーク

ここでは仕様書で書かれているような説明ではなく、私自身が理解しているものを噛み砕いて説明しているため、不適切/誤解があるかもしれません。ぜひコメントを kazuo.nakayoshi@kek.jp までお願いします。

• USB データフロー
  • IN 転送
  
  デバイスからホストへのデータ転送を upstream あるいは IN 転送という.
  • OUT 転送
  
  ホストからデバイスへのデータ転送を downstream あるいは OUT 転送という.
  • エンドポイント(Endpoints)
  
  例えば、SONY の Cyber-shot を USB につなぐとエンドポイントが 3 つ認識される。IN が２つで OUT が １つである。エンドポイントとは、 USB のホストとデバイスを結ぶ論理的な通信経路で固有の機能で分類可能な 部分です。この例のデバイスではホストからのデータ転送のための経路が１ つと、その逆方向の経路が２つ用意されていることになる。エンドポイント 0 は、デバイスに必須のエンドポイントである。
  • パイプ(Pipes)
  
  パイプとは、デバイスのエンドポイントとホストのメモリバッファとの 概念的なコネクションです。データはホストのメモリバッファとデバイス のエンドポイントの間をパイプを通して流れる。パイプは以下の 2 つのタイプが 存在する。
  • ストリーム(Stream): ストリームパイプは一方向で、バルク/割り込み/アイソクロナス 転送で使用する。
  • メッセージ(Message): メッセージパイプは双方向で、パイプを介して流れる データに特定のフォーマットを要求する。制御転送はこの パイプを使用する。エンドポイント 0 に関連するメッセージ パイプを「デフォルトパイプ」という。
  • データ転送タイプ(Data Transfer Types)
  • 制御転送(Control Transfers)
  
  「コントロール転送」は確実な短いデータパケットの転送やリクエストに用いら れる. それはデバイスのコンフィギュレーションに使われる. 全てのデバイスは コントロール・コマンドの最小セットをサポートすることを要求 されている.
  • アイソクロナス転送(Isochronous Transfers)
  
  「アイソクロナス転送」は, バスのバンド幅を保証するが, しかし確実ではない リアルタイムのデータを送信/受信する. 一般的にこれらの転送の タイプはオーデ ィオやビデオで使用される.
  • 割り込み転送(Interrupt Transfers)
  
  「割り込み転送」は, 周期的にポーリングされたバルク転送に似ている. もし ホストコントローラが割り込み転送をサブミットしたなら, ドライバーは 自動的 に特定のインターバル(1ms - 255ms)でこの要求を繰り返す.
  • バルク転送(Bulk Transfers)
  
  「バルク転送」は確実な最大バンド幅までのデータパケットの転送や リクエスト に用いられる. スキャナや SCSI アダプターのようなデバイス はこの転送タイプ を用いる.

• 論理アーキテクチャ
  • パケット(Packets)
  
  パケットはバスを通して移動する連続したデータの最小単位である。異なったタイプの 情報のやりとりのため以下のような異なったタイプのパケットがある。「トークン パケット」は通信に関係するデバイスとデータの方向を確認するため用いられる。 「データパケット」は通信に固有の情報を送るのに用いられ、「ハンドシェイク パケット」は、データ配信の成功や、ホストへのエラーの配信、あるいはフロー制御 に使用してこの時点で配信するデータがないことを示すのに用いられる。「データ パケット」はサイズが可変長で、「トークンパケット」、「ハンドシェイクパケット」 は固定長である。
  • トークンパケット(Token Packet)
  
  ホストとデバイス間で転送される最初または2番目のパケットであり、ホスト側 から常に送信する。
  • OUT: ホストが送るデータパケットを含むトランザクションの開始を示す パケットの識別子。
  • IN: デバイスが送るデータパケットを含むトランザクションの開始を示す パケットの識別子。
  • SETUP: 制御転送い使用されるトランザクションの最初のフェーズを示す パケットの識別子。
  • SOF: USB フレームの先頭を示すパケットの識別子。1ms 毎に発生。
  • データパケット(Handshake Packet)
  
  この中にトランザクションのデータが入っている。データパケットには次の ような2 つの型がある。データパケット本体は DATA および CRC の2つの フィールドから構成される。
  • ハンドシェークパケット(Handshake Packet)
  
  バルク転送、制御転送および割り込み転送処理を完了するため使用 される。ハンドシェークパケット型には以下の 3 つがある。
  • ACK: このパケットは、データパケットが正常に受信されると送られる。
  • NAK: デバイスがデータパケットを伝送または受信できないとき送られる。
  • STALL: エンドポイントがエラー状態になり、そのことをホストへ知らせる ために送られるパケット。
  • トランザクション(Transactions)
  
  トランザクションとはホストとデバイス間で、ある決まった単位の データ転送ができるパケットのシーケンスのことである。
  • インターフェイス(Interface)
  
  インターフェイスは、デバイスの機能を操作する手段を提供する 0 以上のエンドポイントの 集合である。

• デバイスフレームワーク
  • エニュメレーション(Enumeration)
  
  エニュメレーションとはデバイスの検索、初期化、およびコンフィギュレーション のシーケンスを指す。
  • リクエスト(Requests)
  
  USB リクエストとは、デフォルトパイプを通してホストからデバイスに送信される コマンドである。USB リクエストには以下のようなものがある。
  • 標準: すべてのデバイスでサポートする必要のあるリクエスト。
  • クラス: 後述のデバイスクラスの中で決められているリクエスト。
  • ベンダー: ベンダー独自のコマンドを作る場合に使用する。
  • ディスクリプタ(Descripters)
  
  デバイスの属性をレポートするデータ構造。標準/クラス/ベンダーの 3 つのディスクリプタ がある。
  • 標準ディスクリプタ
  
  すべてのデバイスがサポートしなければいけないディスクリプタで、以下のものがある。
  • デバイス(Device): デバイスは 1 つのデバイスディスクリプタを持ち、デバイス全体の 説明に使用する。
  • コンフィギュレーション(Configuration): デバイスに対し指定されたコンフィギュレー ションが選ばれたとき、デバイスの全体的な外見と動作をレポートする。
  • インタフェース(Interface): インターフェイスを個別に認識し、インターフェイス番号や 代替設定とともにクラスおよび能力の情報を含む。
  • エンドポイント(Endpoint): 転送型、データサイズ、ポーリングインターバル、および方向 の情報を持っている。
  • ストリング(String): デバイスとそのコンポーネントを記述した文字列による情報をもつ。
  • デバイスクラス(Device Classes)
  
  
  • HID(Human Interface Device): キーボード、マウスなど。
  • Mass Storage
  • Audio: スピーカ、マイクロフォンなど
  • その他