平成9年度 民間等との共同研究(区分B)受理番号 B-30


研究題目
ネットワーク分散環境における高速・大容量記録システムの開発研究
研究の概要
本開発研究は平成6年度より放送機器技術を用いた ペタバイト(10の15乗)級の高速大容量記録システムの開発を めざして開始された。 現在までに、ハードウェア諸元の基本性能の測定、ソフトウェアの 設計を経て、その成果の一部は製品、SONY PetaSite にも導入された。 SONY PetaSite は本所において、共通計算機システム及びB計算機 システムの大容量記録装置として導入運用され、本開発研究で 行った設計が基本的に正しいことが実証された。 一方、現在では、大容量記録システムに関しては、実験データや 解析結果の高速記録ばかりでなく、分散データベースや分散オブジェクト等 の格納という観点からも需要がある。これらの要求をも満たすためには、 ネットワーク上に分散した複数ホストからの効率的アクセス等を考察する 必要がある。本年度は、ネットワーク上に分散したホストからの効率的 アクセスの要求を満たすための開発研究を行う。
申請理由
本機構における実験研究は、分野を問わず測定技術の進歩とともに データ量の増大が著しい。これに伴い、記録装置も大容量、高速の ものが求められてきている。この増大は、従来の記録装置の容量や 速度を大きく上回る速度で起こっており、高速、大容量記録装置の 需要が高まっている。本開発研究は、現在まで当面の目標を Bファクトリー計画におき、成果をあげた。しかし、今後、大型 ハドロンやリニアコライダーの実験、またCERNとの共同実験などでは 更に高速、大容量の記録システムが求められることが予想されている。 本研究は、民間で用いられている放送機器やマルチメディア用機器の技術を 応用し、これらの需要に答えようとするものであり、民間との共同 研究が不可欠である。
研究代表者氏名
藤井啓文 素粒子原子核研究所 教授
民間機関等の研究組織
ソニー(株)ブロードキャストカンパニーデータシステム部
神奈川県厚木市旭町 4-14-1

研究を実施する施設等
高エネルギー加速器研究機構、計算機科学センター実験室