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目的

本システム開発の目的は「データ収集システムにおけるユーザビリティの向上」 である. 「ユーザビリティ」とは一般に「使いやすさ」と訳される. 利用者が 「使いやすい」,「わかりやすい」, 「操作が簡単」な製品やシステムを 高いユーザビリティを持つ製品/システムということができる.

一般に素粒子・原子核実験のデータ収集(DAQ)システムは, 各々の実験に特化し た特殊なシステムであり, ユーザビリティの高いシステムとはいえない. テストベンチ等で使用する小規模な DAQ システムにおいても, これまでは 特定の計算機の専用バスアダプタを使用してフロントエンド・エレクトロニクス とデータ転送を行なっていた. 近年は PC/AT 互換機(PC)の高性能化および低価 格化により PC を使用して DAQ システムの構築が可能となり ISA や PCI バス をフロントエンド・エレクトロニクスとのインターフェイスにすることが可能と なった. このように PC の標準的なバスを使用することで以前より導入コストは低くなったが, それらを購入してインストールすることは避けて通れなかった. しかし PC とその周辺機器とのインターフェイスとしてデファクト・スタ ンダードな USB を利用することで上述のような専用バスカードを必要とせず USB ポー トを持つ計算機で DAQ システムの構築が可能となる(当然ながらフロントエンド・ エレクトロニクスが USB に対応している必要がある). また後述する USB の特徴のひとつであるプラグ・アンド・プレイによりデバイ スドライバをインストール済みの PC では電源を切ったりシステムのリスター トなしで必要な時に USB ケーブルを接続して DAQ が可能であり, 終ればケーブルを抜くだけで良い. このように本システムによりユーザビリティの高い DAQ システムの構築が可能 となるのである.より具体的なイメージとし ては, 今回開発したソフトウエア(USB-CAMAC ドライバおよび CAMAC ライブラリ) をインストールすればUSB ポートのある買ったばかりのノート PC と後述の SCSI CAMAC クレートコントローラを USB-SCSI 変換ケーブルで USB 接続すれば CAMAC のデータ収集が可能となるのである.



Kazuo Nakayoshi
Wed Jun 27 22:15:09 JST 2001