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C++ iostream 実装例 その 1 †C++ の iostream 実装例として、効率無視の超簡単、超手抜き TCP/IP stream の iostream 化を示す。実用性というよりは、最低限実装すべき機能の （私が忘れた場合に備えての）メモとして残しておくものである。 何をすればよいか †C++ の iostream は（効率を無視すれば）実装が極めて簡単にできる 構造になっている。 極端なことを言えば、必要なのは streambuf の派生 class を作る ことだけである。 実装のために iostream class の内容を知る必要は全く無いし、 iostream の派生 class を作る必要すら無い。 streambuf class の派生 class を作り、その object の streambuf 部分の pointer を iostream の constructor に渡せば、 それだけで iostream として使える。 （具体的には次節 C++ iostream 実装例 その 2 参照）。 最小限実装すべきもの †streambuf から派生させた class で実装する 必要があるのは、以下の4つの protected member 関数である。（詳しくは、C++のiostream に示してある 私の実装資料を参照のこと。）
各関数の果たすべき役割を簡単に説明すると、
である。 overflow(int c) で常に出力先へ出力するのであれば、sync() の実装は 必要無い。 実装例 †というわけで、実装してみよう。実装するのは、TCP/IP の connection に 対して行おう。長い source code は見るのが鬱陶しいので、 TCP/IP の connection を張るところまでは済んでいるものとして、 constructor にその socket を渡すものとしよう。 member 変数としては、constructor で渡される socket descriptor を 保持しておく m_socket と、上記 underflow() と uflow() を実装する ための1文字分の（先読み）buffer m_gpend_char と buffer 内に文字があるかどうかを示す flag m_gpend を用意する。 （g は get 用の意味、std::streambuf 内の命名法を真似てみた）。 // tcpbuf.h
#ifndef TCPBUFFER_H_INCLUDED
#define TCPBUFFER_H_INCLUDED
#include <streambuf>
namespace mynetlibrary
{
class tcpbuffer :
public std::streambuf
{
public:
tcpbuffer(int sock);
virtual ~tcpbuffer(void);
int state(void) const;
protected:
virtual int underflow(void);
virtual int uflow(void);
virtual int overflow(int c = std::char_traits<char>::eof());
virtual int sync(void);
protected:
int m_socket;
bool m_gpend;
int m_gpend_char;
};
} // namespace mynetlibrary
#endif // TCPBUFFER_H_INCLUDED
で、定義（source）。ここで、socket descriptor をどういう扱いにするか 少し悩むところである。ここでは一応 thread で使う安全性も 考えて dup() を使って copy しておく。従って、呼び出し側でも、 それ以上必要無ければ、close() しておくこと。 なお、以下の実装で、buf[] の size を 1 ではなく 2 としている理由だが、 大きさ 1 の"配列"は気持ち悪いという筆者の主観もあるが、もう一つは text mode での CR LF の扱いを将来入れたくなるかも知れないという 思惑も働いている。長くなるので載せないが、実際やってみたこともある。 // tcpbuf.cpp
#include <unistd.h>
#include <sys/types.h>
#include <sys/socket.h>
#include "tcpbuf.h"
namespace mynetlibrary
{
tcpbuffer::tcpbuffer(int sock)
{
m_gpend = false;
m_gpend_char = std::char_traits<char>::eof();
m_socket = ::dup(sock);
}
tcpbuffer::~tcpbuffer(void)
{
if(m_socket != -1)
::close(m_socket);
}
int
tcpbuffer::state(void) const
{
if(m_socket == -1)
return -1;
return 0;
}
int
tcpbuffer::underflow(void)
{
unsigned char buf[2];
// Get the next character. The getpoint does not move.
if(m_gpend)
return m_gpend_char;
if(m_socket == -1)
return std::char_traits<char>::eof();
if(::recv(m_socket, buf, 1, 0) != 1)
return std::char_traits<char>::eof();
int c = (int)buf[0];
m_gpend = true;
m_gpend_char = (c & 255);
return m_gpend_char;
}
int
tcpbuffer::uflow(void)
{
int c = underflow();
m_gpend = false;
return c;
}
int
tcpbuffer::overflow(int c)
{
if(c == std::char_traits<char>::eof())
return 0;
if(m_socket == -1)
return std::char_traits<char>::eof();
unsigned char buf[2];
buf[0] = (unsigned char)(c & 255);
if(::send(m_socket, buf, 1, 0) != 1)
return std::char_traits<char>::eof();
return c;
}
int
tcpbuffer::sync(void)
{
return 0;
}
} // namespace mynetlibrary
次節 "C++ iostream 実装例 その 2" では、この実装を iostream にして 使う例を示そう。 Windows での注意 †Windows 用にするには、
する必要がある。 更に型を正しくするには、
である（なお、実態は singned/unsigned の違いはあったかも知れないが 実は同じ）。 |
