乱数の例題

Hirofumi Fujii Start Page

乱数の例題 †

C と C++ とで乱数の例題を書いてみる。

C の標準ライブラリに含まれている rand() 関数、及びその初期値を与える srand() 関数を使って、実数で 0.0 から 1.0 の範囲の一様乱数を 100個作って 標準出力に打ち出す。

srand() の引数（乱数の seed ）の型は unsigned int である。 この値で、これ以降に呼ばれる rand() が発生する乱数列が決まる。 同じ値を与えれば、同じ乱数列が生成されるので debug などの場合には便利である。

一方、起動する毎に異なる乱数列にしたい場合は、ここで示す ように time() 関数を使う手法がよく用いられる。time() 関数は現在時刻を time_t 型 の値として戻す。この time_t 型は通常は unsigned long 型が用いられる。 ここでは型の不一致を防ぐため unsigned int に cast している。

rand() 関数は 0 から RAND_MAX までの一様乱数を int 型で返す関数である。 0 と RAND_MAX は含まれる。 RAND_MAX を 1.0 に対応させるべきか、RAND_MAX + 1 を 1.0 に 対応させるべきか議論の余地があるが、 ここでは RAND_MAX + 1 を 1.0 に対応させる。

なお、以下のプログラム中で

(double)(RAND_MAX + 1) 

とせずに、

(double)RAND_MAX + 1.0

としているのは、RAND_MAX + 1 が integer overflow を起こす可能性を 考慮しているためである。

/* randtest.c */

#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
#include <time.h>

int
main()
{
	int i;
	double r;

	srand((unsigned int)time(0));
	for(i = 0; i < 100; i++)
	{
		r = ((double)rand()) / ((double)RAND_MAX + 1.0);
		printf("%lf\n", r);
	}
	return 0;
}

C++ で書いてみる

/* randtest.cpp */

#include <iostream>
#include <cstdlib>
#include <ctime>

int
main()
{
	int i;
	double r;

	std::srand((unsigned int)std::time(0));
	for(i = 0; i < 100; i++)
	{
		r = ((double)std::rand()) / ((double)RAND_MAX + 1.0);
		std::cout << r << std::endl;
	}
	return 0;
}