[[藤井のスタートページ]] * 高エネルギー物理学実験の特徴 [#le5a8a8f] 高エネルギー物理学実験は次の二つの特徴を持つ - 量子力学が支配する粒子(素粒子、原子核)を扱う。 従って、原則的に統計的手法により物理法則を見つけ出す。 - 相対論的世界(高エネルギー)の領域であるので、 質量とエネルギーの転化が起こる。従って、粒子数は 保存しない。粒子は生成・消滅し、多数の様々な粒子が できる可能性がある。 これらの特徴から、高エネルギー物理学実験は - 長時間大量のデータをためる(統計精度をあげる) - 空間的にできるだけ広い領域を測定する - 様々な検出器を同時に使う - 粒子識別のための様々な検出器を同時に使う という傾向を持つ。 * データ収集システムの構成要素 [#vada59b8] - 読み出し系 - 記録系 - モニター系 - 環境制御系(温度、電圧、、) - 全体制御系(測定開始、停止、一時停止、、) - 環境制御系(温度、電圧、電流、、) - 全体制御系(測定開始、終了、一時停止、試験、、) * 測定器 [#q915069b] データ収集という立場から測定器を見ると、測定器が 出す情報は4次元位置座標とその座標に対応する信号である。 4次元位置座標(時刻と3次元位置座標)は、必ずしも 現実世界の4次元位置座標である必要はない。実験によっては時刻は 各測定器間での時間的前後関係が与えられるもので あればよい。また3次元位置座表についても空間的距離関係が与え られるものであればよい。例えば、時刻については全系共通のトリガー信号に 実験開始時点から順次番号がつけられていくとしたら、トリガー番号でもよい。 3次元位置座標については読み出し回路と測定器の読み出し位置が 対応付けられているならばその回路の識別番号でもよい。 基本的には、各測定器からの信号の時間的前後関係と空間的隣接関係を決める ことができることが重要である。 * 事象データ [#f11bf54f] ある一つの事象が起こった時に、その事象から発生したと推定される 各測定器からの信号の組を事象データと呼ぶ。 通常は、その事象の発生時刻の時間的近傍にある信号の組である。 この場合、各測定器からの情報に時間的近傍を判定するための情報が 必要である。 よく用いられる方法として、測定器からの一部の信号を使って目的とする 事象であるかどうかを高速に判定し、目的とする事象である「らしい」と判定 されたら信号を生成し、その信号を基準として時間的近傍を読み出す ことが行われる。この基準信号をトリガー信号と呼ぶ。 事象の発生時刻と信号の発生時刻は一致しないことに注意する。 例えば、粒子衝突実験を行っていて、衝突点から発生する粒子を 検出する測定器が衝突点から1m離れて置かれていたとすると、 信号は少なくとも3ナノ秒以上遅れて発生する(粒子が光速で 走ったとしても1m進むのに3ナノ秒かかるので)。 従って、時間的近傍にある信号と言っても、その時刻や範囲は測定器ごとに 異なる。 * 事象構築 [#la45ca15] 多数の測定器を使用する実験では、各測定器からの信号を並列に読み出す ことが必要になる場合が多い。この場合、各測定器から読み出した信号の 時刻は一般には一致していない。従って事象データを構築するには、 読み出した信号の集まりから同時刻近傍のデータを集める必要がある。 同時刻近傍のデータを集め事象データを構築する操作を事象構築と呼ぶ。 また、この操作を自動的に行うシステムを事象構築器と呼ぶ。 * プログラム技法 [#h06cb61d] - Input/Output operation -- device -- disk -- network - Multiprocess/multithread -- 同期 -- 排他制御